帰り道にけんかした。最近、何を言っても「いや〜」「ダメ〜」としか返してこないのに加えて、人を試してくるようになった小さい人が、車通りの多い危ない道とわかってそちらに行こうとしたので、「やっていいことと悪いことがある」とキレてしまった。

 いろんなことがわかってきていて、話したり自分の気持ちを伝えてくれたりすることは生きるなかで大切だから、わたしへの抵抗は全然いい。むしろ、子供とか障害とか、いろんなカテゴリーを脇に置いて、ただその人と向き合おうとするときに、素朴に「無視すんじゃねえよ」とイラついた自分にへこんだ。

 行きたい道を行けばいい。ただ、わたしの動きは、彼女と彼女の家族と事業所とその道をいく車に影響される。「その道を行かないで、こっちの道で帰って」と言われているときに、彼女の気持ちをどこまで汲むことができるのか。叱るべきことなのか、どう叱るべきなのか、くよくよ悩む。

 

 お父さんと二人で暮らす人がいる。

 お父さんが亡くなった二人兄弟がいる。

 

 彼らが一人暮らしをしていくために動こうとする介助者たちもいる。けれど、トイレに行って、お風呂に入って、服を着て、歯を磨いて、ご飯を食べて、その日一日をなんとかやっていくために必要な介助がある。親によって、その子によって、どうしていくかはそれぞれで、こうしたいと思っていてもそこまで及ばないでその日が終わることもある。歯ブラシにかびが生えてくる。足は魚のウロコのようにカサカサになっている。

 わたしは、やっぱり根本的には当事者の外にいて、何ができるんだろうなあと思う。目の前のことをしていくしかないけれど、そのことに今は、やきもきする。