わー

 わたしのグーグルカレンダーに、突然やまもとくんのスケジュールが表示されるようになった。こわい。消しても消しても、消えない。うっ、と表示を消すが、翌日にはわたしでない誰かの予定が、わたしの予定としてカレンダーに登場する。今日は予定があったのかと朝(12時だから、ほんとうは昼)から焦るが、わたしのものじゃない。わたしのものじゃない。

 やまもとくんの予定を覗き込むのは、えっちな感じがするし、わたしのカレンダーとしてはじゃまなので、表示を消す。何度も何度も消すが、そのたびにひゅるるんと表示されなおす。なんなんだ。逆ストーカーである。「ぼくの予定をみてみてみて」。わたしとその人のカレンダーは同期しているのだろう、わたしが、侵入されている事実をないことにするたびに、やまもとくんは「なんで消えてんだ」あるいは「ぼくを消さないで」と言いながら表示しなおすのだろう。わたしの、空っぽも見られているのだろうか。

 やまもとくんは年末から帰郷したらしい。わたしはやまもとくんの動向を把握している。校了が近そうだ。がんばれ、やまもとくん。微妙に関係がありそうな動きだが、あったとしてもすごい前の話だし。わたしは、やまもとくんを知っているだろうか。

 そういえばいつかの冬の頃に、わたしが相手を勝手に知っていて、ずっとまくしたてて話していたら、不審者と思われた。そのことにウワンウワン泣いてから、困りながらも仲良くなってくれた人がいた。おう、わたしが知っている範囲と相手が知っている範囲にズレがある。おうおう。わたしはこわい人だったのかもしれない。やまもとくんと会ったら、距離はとりながらも、ちゃんと消さないであげようと思ったり思わなかったりする。